思ってもいない展開

ミステリー、推理物、ハードボイルド・・・などなど、話の筋を追っていくことが眼目となる小説は読み始めるとついつい“あと少し”となってしまい、これといった予定も何もない私などは運動不足の原因となってしまうこともあります。本を読むこともTVにかじりつくこともそういった点では同じです。それに、そのように面白い本であればあるほど、じっくり読んで細部まで楽しむと言う読書法があらまほしい訳で、ガツガツとどんぶり飯をかっ込むような読み方は、いい歳をしたもののやることではないと常々思っているのです。本はTVと違い、そのようなコントロールが効く主体性が存在する、なんて勝手に考えたりもします。 しかし、持って生まれたと言うか、せっかちでガツガツした性格はこの歳になっても直らず、相変わらずの先走り読みで、中身をロクに覚えていない本も多くあると言う始末が続いています。
 その点少しややこしいもの、例えば学術系の本だとか古典などは、一回読んだぐらいでは分からないし、長時間にわたって読み続けることも出来ないので、かえってじっくり読む事が出来ます。だからと言って理解したかどうかはまた別の話ですが、少し読んだら休み、また気を取り直して読むと言う、じつに歳相応のペースで進むと言う、まあどうでも良いことと言えばその通りで、何故ならどんな読み方をしようが、どんな知識が増えようが学者になる訳でなし、都知事選挙に出る訳でないのですから、面白く読んで時間が過ぎれば今日が終わり、一晩寝れば明日が来ると言う、それの繰り返しの毎日ですから、これ以上の結構な暮らしは望むべくもないのです。
 自分でも何を書いているのか分からなくなってきましたが、要するに今日読んだ、宮部 みゆき著「ペトロの葬列」という本が面白かったので、ついガツガツ読みをしてしまい損したという話な訳です。何故そんなに面白いかというと、意外な展開、思ってもいなかった展開となるストーリーだったのです。ルールとしてこれ以上は書きませんが、やはり宮部さんは読む者の心理をよく掴んでいる作家です。

この方もかなりミステリアスですが・・・