警察の面子

二十歳の強姦容疑者が地検支部から脱走した事件は、4000名もの警官を動員して2日間かけてやっと再逮捕するということで幕を閉じました。TVは特番でその“逮捕劇”を中継、ヘリで護送ルートを追いかけるという“大事件”扱いでした。
TVを観ていて感じたことは、今現在のこの国は平和な状態で外にたいした事件も話題も無く、警察は自分のしでかした失敗の尻拭いに莫大な税金と時間をかけているなあ、といったことでした。4000名もの警官と車両を動員しての“追っかけ”は、失態のデパートとも言える神奈川県警の面子を懸けたミッションだったのでしょう。それにしても4000名体制とは思い切ったものです。逮捕の中継を見ると、数えきれないくらいの警官が1人のお兄ちゃんを取り囲み、“そこまでやるかあ”と思わせるほどのものでした。また護送中も白バイが6・7台とパト、関係車両が続き、豪勢な大名護送で、どう考えても過剰としか思えないほどの“警護”ぶりだったのです。
身内の失敗の尻拭いにあれほどの税金と熱意をつぎ込む警察という組織は、市民が助けを求めているときには“けんもほろろ”、“取りつく島もない”と言った態度をよくとるようです。記憶に新しいところでは、ストーカー被害者の訴えをお座なりにして殺人事件を起こさせてしまったり、少し古くなりますが盗難にあった私のバイクを全く見つけてくれないとか、もう枚挙に暇がないほどなのです。私のバイクもせめて2000名体制あたりで捜査してくれれば、すぐに見つかったのではないかと愚痴りたくもなるのです。一体誰のための警察なのか、もちろん自分たちのための警察なのでしょうねえ。
今回のこの大騒ぎを、警察内部には“腹立たしい事態”と思う人たちもいるはずで、真っ当な警察官は幹部の面子のため振り回されることに義憤を感じているでしょう。なんせ“風通し”の悪い組織のようですからそういった声が生かされずに、だからこそ今回のような初歩的ミスを誘う事件が起きるのでしょう。「事件は現場で起きている!」と叫んだ青島クンはどこかに居ないのでしょうか。それと、携帯の位置情報は警察に筒抜けなのですねえ、怖いですねえ。

あれ 今日休みじゃないの?