実質的な高速料金の値上げ

長く続いた高速道路の料金割引制度が、今年3月末で基本的には終了することになったようです。一部の割引は残るようですが割引率の縮小などで料金は実質的な値上がりと同じです。
もともと高速道路の料金は、建設費の回収ができた段階で無料化することになっています。しかしいろいろ理由をつけ、例えば新路線の建設や既存路線の保守、営繕(最近では老朽化した部分の修理などで、建設費回収済み路線の料金無料化先送りを決める)などのために、無料化は先送りされ続けてきました。民主党マニフェストで高速道路料金の無料化を掲げた時に、当時の自民党政府は対抗措置として各種割引制度の導入に踏み切ったのでした。その後民主党が政権党となってもその制度は続き(無料化云々のドタバタはありましたが)、自民党が政権復帰して安定多数の国会と、野党勢力の無力化を見越しての割引制度の廃止、となったのでしょう。
割引制度廃止の直接の原因は、料金割引に充てる予算が底を突いたことによるとの説明ですが、もともと税金を使って建設した道路なのに、なぜその上に税金を使って料金補てんをするのか、割引で減収した分は道路会社の営業努力に委ねても良いはずです。SAの営業権の売買や用地の有効利用、関連事業の開発など、やるべき分野は数多いのです。それらに目をつぶり安易な税金補てんと独占事業としての温存策は、高速道路建設の本来の趣旨とも反するものと言えます。高速道路会社には国交省幹部の先輩が数多く居て、それらと自民党の“建設族”は長年の持ちつ持たれつの関係であり、ここでも自民党の先祖返りの臭いがプンプンするのです。
莫大な税金を投入して作られる高速道路は、国民共通の財産でもあり経済流通の要でもあります。一部利権集団や政党の道具にされる筋合いのものではありません。道路利用は基本的に無料であるとの原則に立った政策が望まれます(評論家みたいな言い方だね、ま、いいか)。

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