ネットカンニング その2

 今さらという感も無いことも無いのですが、今回のネットを使ったカンニング事件でのマスコミの対応は、まさに紋切り型、定石通り、上っ面を撫でるだけに終始した報道でした。予備校生の逮捕時もごく当然の逮捕劇として伝えていました。カンニングで逮捕されるとするなら、全国の警察や拘置所はパンクどころの騒ぎではありません。テレビはもう報道もへったくれも無いメディアなので仕方ないとしても、せめて新聞ぐらいは逮捕に疑問を投げかけても良かったのではないでしょうか。カンニングが何時から警察の取り締まり対象の犯罪となったのか、頭を抱えてしまいたくなるほどの不可解な出来事です。それをマスコミは当然のように報道しました。
 一方の当事者である大学側も、本来は受験者と大学との問題であるにもかかわらず、安直に警察を頼む姿勢を曝け出しました。なぜ当事者としての責任を堅持して問題解決に当たらなかったのか、自らの責任能力の欠如を証明するかのような振る舞いは、学問の府として恥ずべきものであり、歴史に汚点を残す行為であったと言えます。自由な校風を伝統とする京大の看板が泣くでしょう。他の大学も京大に追随して同様な措置をとったことは、日本の教育の現場が堕落しきっている証拠でもあるようです。ゆがんだ受験制度とその上に胡坐をかいた教育システムの抜本的改革を願わずには居られません。「東大ポポロ事件」の歴史的教訓は何処に行ったのか、大学側に猛省を促したいと思うのです。
 とマア、私が声を出したところで何の意味もなく影響も無いのでこの位で止めますが、まったく今回のことは、この国の現在の政治的環境やお気楽的風土をしっかりと見せてくれた事件でした。それにしても逮捕された受験生は愉快犯じゃなかったのですかね、ほんとのところ・・・。本気でカンニングするつもりであればもう少しばれない方法をとる必要があったのだし、あの環境の中で携帯に文字を打ち込むスキルは買うとしても、工夫が足りないとの誹りには甘んじなければならないと思うのです。

まあ 本人の気持ちは分からないわね・・・。