いま頃になって・・・

外遊中の安倍首相が、福島原発の汚水漏れ事故に関連して、今後は政府が前面に立って事故処理に臨むと表明したようです。何を今さら・・・と思いますが、おまけにわざわざ外国で表明する神経も国内軽視というか、外受けを狙った魂胆見え見えの演出で具体性のない空虚な演説でした。
今回の汚水漏れ事故に限らず、東電の原発事故処理に関する一連の動きは、会社の利益を優先して行動する企業体質を露骨に表したものです。1兆円に及ぶ公的資金の導入をしておきながら、政府は東電にほぼ下駄を預けっぱなしで放置し、東電はそれをよいことに企業利益を優先させて、泥縄的事故処理とずさんな管理に終始しています。前にも言いましたが、この際東電を国有化して国が事故処理を含め全面的な問題解決に当たるべきなのです。通り一辺倒のチャラい表明などでお茶を濁そうなどという時ではないと知るべきです。
うがった見方をすれば、今回の表明はオリンピック招致とセットとも考えられ、“レベル3”に引き上げられた深刻な状況を、少しでも薄めようとする姑息な手とも思えるのです。安倍首相や現政権にとっては、福島原発の事故処理よりもオリンピック誘致のほうが当面の優先課題とでも考えているのでは、なんて勘ぐりたくもなってしまいます。さらに深刻化するかもしれない事故原発を抱えて、オリンピックどころの話ではないはずです。
 

何がオリンピックよ