自己管理能力の欠如  その3

ではどのようにしたらこのような状況を打破できるのかということですが、巷間言われるように「馬鹿につける薬はない」というのが正直なところです。私も含め住民全体の意識の底上げを実現しない限り効果的な方法はないでしょう。まず住民の自治意識の向上が前提となりますが、五年十年で解決できる課題ではないのです。学校教育の中で「自治」の基本を繰り返し学習し、その大切さをしっかり身に着けることが求められます。また、行政は実行部隊としての責任と誇りを自覚して自らを組織改革すべきです。例えば、旧態依然とした職制制度や縦割り組織を廃止して、柔軟で独立性を持った行政組織(ブッチャケた話、管理職を全廃して職員一人一人が責任をもって仕事をすればよいのです)を構築すべきです。頭の古い連中はそのうちにみんな死にますから、「百年河清を俟つ」の例え通りに時間に委ねる部分も多いと思われます。
住民の底上げが一段落すれば、後は行政と住民が地域ごとに協議会を設けて自治を運営することとなるでしょう。議会という組織は必要最小限の項目に限定した立法機関として機能させるべきです。現在の代議員制度はすでに陳腐化しています。直接民主主義を多く取り入れた制度を構築して地方自治を運営する、こんなものになるのではないでしょうか。ともあれ、ヒトの顔がすべて違うように十人十色、民主主義と言う非能率な制度の中で、全体のコンセンサスを形成する作業は困難を極めることは間違いなく、高い知性と教養の力によるほかに道はないと思われます。難儀なことです。
それと、気にかかることは住民がそういった社会を望んでいるのか、という根本的な問いかけがあるのです。多くの住民が“自治なんてメンドーだし、誰かが上手くやってくれればそれが一番”と考えているのであれば、もう“何をか況や”ですべては徒労に終わるでしょう。多数意見が必ずしも真理とは言えないし良識とも考えられませんが、無視できないこともまた事実です。ヒトという種族が生み出した社会を運営する方法は、民主主義が究極の到達点ではないかも知れません。だとすれば希望はあるのですが・・・。
おわり。
 
 貴女は希望です。