冬の星座

もう何年も前から夜は9時ごろにベッドに入ってしまうという生活をしています。取り立て健康に留意をしているのではなく、ただ単に眠くなってしまうのでそうしているだけなのですが、必然的に朝が早くなるという、結果的には健康的な生活をしていることとなっています。
早朝4時ないし5時ごろの空はこの時期真っ暗で、天気さえよければ星が数多く見られる…はずなのですが、さすがに東京ではそう期待するほどの星空には恵まれません。信州辺りに行くと冬の夜明け前の空は、北斗七星やカシヲペア、天の川さえ見ることが出来ます。東京ではやはり夜の方が星の数が多く見られるような気がします。
今の時期の見どころはやはりオリオン星座と冬の大三角で、20時頃には南の空高くに輝いています。とくに南天に輝くシリウスはひときわ目立つ星で、青白く、風の強いときなどは瞬きが宝石のようです。オリオン座の右上には赤く輝くアルデバランが、そのさらに上には木星がひときわ大きく光っています。そしてこの周りにはヒヤデス、プレアデス(すばる)といった散開星団があって、東京の空がきれいになったと思える時です。
夏の朝は5時になるとすでに明るくなってしまうので、星を見るには4時ごろまでに起きなければなりません。なんでそんな早く起きて空を見るのかと言えば、冬の星座のオリオンがちょうどその時間に出ているのです。夏の朝に見る冬の星座は、なにか特別の感傷を呼び起こします。私はどちらかというと夏より冬の方が好きなので、そんな風に思うのかも知れませんが、寝苦しい朝のボーとした頭をすっきりさせてくれます。
オリオン星座の中には、ちょうどベルトにあたる三ツ星の下の方に大星雲があります。肉眼でも条件さえ良ければうっすらと白く見えますが、かなり視力のよい人であれば星雲として判別できます。ふつうは双眼鏡や望遠鏡などを使って見ます。この中には“トラペジウム”と名づけられた星の集合があり、生まれたばかりの星が輝いています。残念ながら私の持っている望遠鏡ではそこまでは見えず、天体写真集やTV映像での“観測”しかしたことはありません。小学校で覚えたヘイスの名曲「冬の星座」のメロディーが似合う時期でもあります。
 
 朝が早いのは 貴女のせいでもある。