昨日の空に出ていた雲はとても見事でした。夏空に白い入道雲というのは定番の景色ですが、あらためて雲の美しさと空の青さに見惚れました。青い空と白い雲、木々の緑、この三つが揃えば敵うもののない最強の配色です。
 それにしても雲というものは不思議な現象で、見上げていると形が次々と変わっていくし、突然消えてしまう。かと思えば突然現れるという、まさに変幻自在の、言うところの“雲を掴むような”ものなのです。このところ頻繁に起きているゲリラ豪雨もこの入道雲、積乱雲のなせる現象で、美しく雄大な姿通りにそのエネルギーは莫大なものを持っています。
 10種雲形などいう雲の分類法があります。上空一万メートル付近にできるすじ雲から地面近くにできる綿雲と呼ばれる積雲まで、色も形も違う雲に私たちは名前を付けて親しんできました。孫悟空が乗っていた“きんとん雲”は素晴らしい乗り物であったようですが、じっさいの雲は乗れるどころか実体のない、雲の中に入ればただ水蒸気の中にいるだけの“霧中”の世界です。山の稜線から見る雲海も、その上を歩けそうな錯覚を覚える風景ですが、歩いて行った人を見たことはありません。
 雲は上昇気流という空気の流れによって発生しますが、星雲という宇宙空間にできる雲は少し違うようです。あまり詳しくは知りませんが、細かい水滴が太陽光で散乱されて白く見える雲と、宇宙空間に漂う塵や原子や分子のガスが恒星のエネルギーによって発光する星雲も、見た目は同じように見えます。まあ同じ恒星(太陽も含めて)のおかげで見えるようになるのですから似通っているのは当然かも知れません。
 積乱雲の中の上昇気流は凄まじいものらしいのですが、飛行機が巻き込まれて脱出したパイロットが、何時間も積乱雲の中に閉じ込められたという話を何かの本で読んだことがあります。命からがらパラシュートで地上に降りたパイロットは、気象学者から見れば千載一遇の経験をしたことになります。私は気象学者ではありませんのでそのような経験は望みません。
 付録・・・夜の8時ごろ、南西の空を見上げてみると星が3つ縦に並んでいます。上から土星、少し離れて火星、そのすぐ下にはさそり座アンタレスが赤く光っています。ちょっとした天文ショーです。

雲のような・・・