赤い星

 冬の明け方前、5時ごろの空に、赤い星が三つ輝きます。どのような配列かというと、南の空にひときわ輝く木星を中心に、左方向に赤く光る火星、そのさらに左下にさそり座の赤いアンタレス。そしてまた木星に目を戻して、右方向の真上辺りに牛飼い座のアルクトゥルスと、赤い星が三つ輝いています。氷点下に下がる日の多いこの時期の明け方に、好きこのんで星など見ない、という方もいらっしゃるでしょうが、星好きにはたまらないひと時です、寒いですが。
 赤い星はその昔には凶兆と言われて恐れられていた時もあったようですが、中国や旧ソビエトなどの社会主義圏では“シンボル”として、国旗や屋根の上など様々なところに使われています。まあ、“社会主義の星”というイメージはこのところ値を下げっぱなしで、赤い星たちにとっては傍迷惑なことかもしれません。先ほど挙げた星たちの外にも冬の大三角、オリオン座のベテルギウスなども赤い星として有名です。この冬の大三角にはギラギラ輝くシリウスという青い星があって、今の時期の日没後はちょうど見頃となっています。シリウス白色矮星との二連星だということは最近知ったのですが、この星が一時期赤く見えていたという歴史的事実があって、その謎の解明が未だに天文学者の間での課題だそうです。
 宝石箱をぶちまけたような、赤や青や白く輝く星空を眺めることが出来るのも今のうちだけで、あと数億年か数十億年かすると、夜空はただ真っ暗という時代が来るそうです。そんな時代に生まれなくて本当に良かったと思います。

こんな赤い月もいずれは見えなくなる・・・