逆鱗

逆さの鱗と書いて「逆鱗(げきりん)」。龍の喉の下あたりにあり、直径一尺にもなる鱗で逆さに生えているものと言われています。見たことがないので、どんなものなのか見当もつきませんが、なんせこれに触れようものなら、龍はたちどころに怒り狂い、触ったものをかみ殺すらしいのです。同じような言葉では「虎の尾を踏む」とか、最近では「地雷を踏んだ」などとも言いますが、要するに相手の気に障ること、触れて欲しくないことなどを無遠慮に指摘したり、言いたてたりすることです。
で、ここからが問題でして、何を言いたいのかというと、逆鱗に触れるほどではないにしても、言わなくてもよいことを言ってしまった経験は、誰しも少なからずある訳で、私もどちらかと言うと余計なことをつい口走る癖がありまして、後々まで後遺症として残ってしまう失敗を幾つかやっております。幸い逆鱗に触れるような事態には至っていないと私自身は思っていますが、案外と気が付かずに地雷を踏むもしくは逆鱗にタッチしてしまったことが有ったかも知れません。
不幸にも逆鱗に触れてしまった時にはどうすればよいのでしょう。ただひたすら誠意を尽くし、七重の膝を八重に折って謝るか、開き直って龍に挑むしかないようにも思います。しかし、相手が龍ではかないっこないですから、勝ち目のない争いは無益ですし、ここはやはり頭を下げて許しを乞うお願いの一手となるでしょう。逃げの一手というのも有りますが、これは解決の先延ばし、もしくはずーと逃げ続ける羽目にもなり、あまり良策とは思えません。
女子柔道の監督やらコーチの人たちは、選手を見くびっていたんですね。選手は監督やコーチより本来強い龍なんです。龍も普段はおとなしいといいます。この国のスポーツ界の指導者たちは「逆鱗」に触れる愚を犯し続けていたのです。いいタマだあ、オリンピックなんかもう来ない、レスリングも競技種目から外れるし、ああうれしい・・・あれ、また口が滑ってしまいました。
 
 この方の「逆鱗」は 爪です