「カラマーゾフの兄弟」について

やっと3分の1程度までたどり着きました。どうも長いこと読み続けることが出来なくって、他の本に手を出したりPCをいじってみたりでなかなか進みません。でも決してつまらないということではなく、むしろ読み始めれば引き込まれたりする面白さなのです。しかし、小さい字(7ポか8ポの2段組み)と宗教が絡んできますから、なかなか長時間の辛抱がつらいこともある訳です。やはり時間をかけてじっくりと腰を据えて読むべき本であり、そうしないと作者の意図はほとんど分からずに終わってしまうことになりそうです。
19世紀後半に書かれたこの本は、帝政ロシアの生活やそこに生きる人たちの、呼吸さえ感じさせる緻密な描写力をもって書かれています。台頭してくる社会主義の思想や教会との確執、貴族や平民との格差、そんな中での若い精神の葛藤を、きっとこれが“ロシア文学の真骨頂”とも思える筆のゆったりした運びで描かれるのです。どうです、もうあくびが出てきたでしょう。そうなんです、が、もう少し読んでみようかという気持ちにさせるサムシングがあるんです。ここはのんびり行くしかないようで、図書館へは借り出し延長の手続きをしてまいりました。
このように私が19世紀のロシアを彷徨っているうちに、巷では原発を早期に廃絶するための動きが広がっているようで、大江健三郎さんなどが中心となった脱原発の法律制定を求める運動や、“金曜反原発集会”なども依然として継続され取り組まれています。新聞などもこれらの動きをかなりの紙面を割いて取り上げるようになりました。政府主催の公聴会でも“原発ゼロ”が多数を占めていたようです。今年がこの国の市民運動の特筆すべき年となるかもしれない予感さえ感じます。
 
 かったるいもの読んでるんだ