フェルメールを観てきました

今この国には「真珠の耳飾りをつけた少女」が二人来ています。その内の一人、“青いターバン・・”ではない少女を観てきました。最初はご多分にもれず“青いターバン”のお嬢さんを観に行くつもりでしたが、上野の駅を降りると、何やら公園の向こうにある都美術館方向に人が流れて行くし、構図的に観ればもう一方のお嬢さんの方が面白そうだったので、急きょ手前の西洋美術館に入ったのです。
いつも思うのですが、企画展という展覧会は大体つまらないものと相場が決まっていて、今回も予想通りの御粗末だったのですが、なんせフェルメールがあるというので集客力だけはあるようです。お目当ての「真珠の…」の前はやはり人だかりが出来ていて、きっと都美術館の方は“黒山の”という形容詞付きの繁盛ではないかと推察されました。肝心の絵ですが、やはりフェルメールという絵描きさんは天才としか言いようのない方で、単なる写実を超えた内面を表現する絵画と思えました。あとミケランジェロの素描が一点ありましたが特別どうということもなく、レンブラントの「金色の兜・・」はまさに“光を描いた”という分かり易いものという印象が殆どでした(もちろんその技術は眼を瞠るものです)。
例によって常設展に寄り道し、静かで内容的にも十分な鑑賞が出来ました。しかしなんで企画展はスターにのみに頼った企画しかやらないのでしょう。もっと絵を楽しく知的に見せる工夫をしても良いのではと思ってしまいます。やはり客寄せパンダ方式ですか絵画展も・・・、場末の艶歌ショウじゃないですよねえ。
 
 フェルメールも描かなかった肉丘