ターナー展

雨上がりの午後なので空いているかと思い上野に出かけました。閉幕間際の「ターナー展」を観るためです。予想に反して会場はかなりの人が入っており、ややがっかりして足早に空いているところを狙って観てきました。
ガイドブックの挿絵のようなものを描いていたというターナーは、水彩画の名手で風景画の開拓者でもあったと言われます。後年のいわゆる“ターナーらしい”絵に到達するまでには、きっと何百枚ものスケッチをしたことでしょう。実際に使われたスケッチ帳も何冊か展示されてありました。
ターナー、とくればあの有名な汽車の絵がありますが、残念ながら今回の展示には無いので観ることは出来ませんでした。光と大気の画家として現代の抽象絵画にも影響を与えたターナーですが、今回の展示会はその片鱗を観た程度の内容であったとの感想を持っています。100点を超える展示作品の中で、これはと思える作品は10点になるかどうかというレベルだったのです、私個人には。それに都立美術館の今回の照明と壁紙は良くないですね、あれは作品の価値を下げます。
展示を観終わり会場から出ると、雨上がりの青空と雲が目に飛び込みました。それを見た瞬間に“ターナーも負けたな”と思いました。とてつもなく綺麗な空でした。きっとターナー本人が見ても“やられた”と感じたことでしょう。

ターナー