おかしなこと

 一地方都市の首長が、当選の挨拶をかねて中央政界の代表や大臣に会いに来ましたが、こんなことは今までに記憶が無いのです。更におかしなことには、政党幹部やら大臣がこぞって面会し、大変な待遇であったようです。マスコミもトップニュースとして扱い、当の本人は得意満面で帰って行きました。どうやら大阪市は独立国並みの扱いらしく、いつのころからそうなったのか分かりませんが、私はもともとあの地域は日本とは違った国と思っていましたから、さほどの違和感を持ちませんが、それにしても異様な状況であるようには思えました。既存政党と既に落ち目の政権では何が来ても弱腰で、へらへらと御機嫌うかがいの御用聞き並みの対応しかできないのでしょう。またそういった態度が更に自らを弱体化していることになっているのですが、その辺りには気がつかないらしく、藁にもすがる情けなさがにじみ出ていて、何とも哀れを誘います。
 おかしなことと言えば、「収束」宣言が出た福島原発ですが、あれはどういうことなのでしょう。なにが収束したのか全く分からない状況なのに、一方的に収束しましたと言われても、誰もがぽかんとしてあいた口がふさがらない始末です。メルトダウンした燃料棒の状況も分からず、その回収法も全くめどが立たない中で、あろうことか「収束」宣言を出す政府や東電は、いい度胸していると思うことしきりですが、前段に述べた政府の“へらへら対応”とのあまりの落差は一体何に依るのか、頭を抱え込みたくなるほど理解に苦しみます。“弱り目に祟り目”の時代はおかしなことがおかしくない状況なのでしょう。“時代閉塞の現状”と言ったのは石川 啄木ですが、正にそんな中に置かれている現在なのかもしれません。

       

布団閉塞の現状