奢りと自信過剰

このところ相次いで自民党共産党の党大会が開かれました。TVや新聞報道の範囲内でしか分かりませんが、ともに自信過剰というか自己認識に対する態度が甘いというか、そういった意味では“自共対決”となるのかも知れません。歴史と伝統を誇るこの二つの政党が、もう少し謙虚で寛容の精神を持っていたら、この国の在り様も変わっていたかもしれないと思うのですが、残念なことです。
沖縄の名護市長選挙での結果は、国の米軍基地辺野古移転方針に明確な反旗を示したものでした。にも拘らず、安倍内閣は選挙結果に左右されずに既定方針を進めるという、官房長官防衛大臣の談話を発表しています。このような民意を全く無視する政府の態度と、自民党石破幹事長の500億円もの“金”をちらつかせた応援演説は、基地移転を拒否した名護市民に対する侮辱と権力の奢りを表わしたものと言わざるを得ません。別な言い方をすれば、まったくう何考えてんだよお・・てなところでしょうか。
かたや共産党は党大会において、参議院選挙、都議会選挙で議席数を伸ばしたことに自信を深め、“今こそ出番”とばかりに勇み立っています、しかし減少する党勢とその高齢化は深刻とも言えるようなのに、選挙での好成績は“消去法の選択”の中で得られた結果、という一般の感覚とはかけ離れた総括を行っています。とくに党員の高齢化は今後の党勢の消長に大きく影響をもたらすはずで、強固な組織力と活動力を誇ってきたこの党にとっては、ある意味で致命的な問題となりうる要素です。日本の政治の中で、共産党の果たしてきた役割は決して小さくないと思いますが、もう少し謙虚に足元を見つめるべきではないでしょうか。はしゃぎ過ぎだよ 年寄りが・・とも言えます。

今週から始まる都知事選挙でも、この二つの党は重要な役どころで舞台に上がるはずです。それぞれの党が推す都知事候補者にプラスとなるのかマイナスとなるのか、政党の役割と限界を見るうえでも注目しています。

謙虚は大事