不思議

あちこちの新聞やTVが総選挙直前の“予想”を出していますが、共通していることは投票率が低く自民圧勝の予想です。景気回復の実感がない、実質賃金が下がった、物価が値上がりして生活が苦しくなった・・・etc.と、世論調査などでは必ずしも政権与党に有利な声ばかりではないのです。むしろ不満な意見が多いとさえ思えます。にも拘らず政党支持率では自民がトップ、一強他弱の状況です。思うこととやること、顔と腹が違う国民性と私たち日本人は外国から言われるようですが、どうもよく分からない不思議な現象に思えます。自民以外に選択しようとしても適当な政党がないという声もよく聞かれます。消去法で行って自民か棄権かというところに行き着き、投票率が下がり自民圧勝という構図なのでしょうか。
若年層の投票行動が弱いということもよく言われます。たしかに私たちの頃と比べると、今の若年層は政治に関心など示さずとも、生活はまあまあ豊かで特に不満が募るような環境にはなかった世代です。しかしこのところ貧富の二極化が進んで、格差がかなり露骨に見えるようになりました。若年層と雖も政治に無関心ではいられない状況が生まれています。30パーセント台と言われる若年層の投票率が大幅に改善されることで、政治の流れに変化が出るのかどうか正直解りません。しかし、少なくとも老人政治家にとっては脅威となるはずです。社会的に見ても労働人口の一翼を担うとともに、今後長期間にわたって生産、消費の両面をリードするであろう若年層は、政治的にも強い影響力を行使できるはずなのです。白けている場合ではないと老婆心から思います。
ともあれ、予想される選挙の結果から見れば、私が社会のマジョリティから外れていることだけは確かなようで、オリンピックの開催や蜘蛛の巣状の電線の街並み、バラックまがいの建売住宅、果ては鍋料理まで私の好みとは合わず、深い憂いに沈む今日この頃なのです。

まいったわ。