ヒト科ヒト属ヒト

 私はこのブログでは人間のことを“ヒト”と書きます。これは系統樹でいう呼び方で、もう少し詳しく言うと“ヒト”はヒト上科、ヒト科、ヒト属 ヒトとなります。ですから私は、オランウータンやテナガザルなど現生類人猿などを含むヒト上科の中のゴリラと同じ仲間のヒト科に属し、チンパンジーと一緒にヒト属を構成するヒトの中に一人ということなのです。何でこんなややこしいことを書くのかと言うと、単なるコケオドシ、知ったか振りを披露しただけですが、ヒトが絶滅するとこの呼称はどうなるのか、少し疑問に思ったものですから、ついでに教養にあるところをひけらかそうと、教養のないものがやる常套手段をやったまでのことでした。
 ヒトが他の類人猿と一線を画す種ではないことは最近の研究で明らかにされたことのようですが、動物界の中で同種の殺戮や共食いはヒトとチンパンジー以外は見られない行為であるようです。まさか殺戮や共食いが共通項という訳でもないと思いますが、この二つの種がヒト属としてくくられています。中でもヒトは同種殺戮の行為が際立っている種であり、おそらく持って生まれた凶暴な性格が現在の繁栄をもたらしたものと考えられるのです。欲望という点でも抜きんでています。際限のないこの感情はヒトをヒトたらしめる最も特徴的なものかも知れません。凶暴な性格と際限のない欲望という恵まれた資質によって、ヒトは他の種を圧倒した“進化”を続けて今日に至っています。「戦争」という大量殺戮と略奪の機会は、ヒトのもつ基本的な進化圧の中から生まれてきた原動力であり、必要欠くことのできない行事であったのでしょう。どうにもこうにも身も蓋も無い話とも言えます。
 昨日ヒトの絶滅について避けられないと書きましたが、こう考えると、ヒトは絶滅によってのみこの地球という星に貢献できると思えるようです。全く困ったものです。何が環境保護でしょうか、だってヒトが創ったものや発明したもので地球の為になったものなんか無いものね。

寝る科寝る属ネコ