罪滅ぼし その5

第4章 日本の山岳は観光資源としても立派なものです。
 山林を守ることは都市の水環境を守ることであり、大気や海の汚染を防止するうえでも絶対条件となるものです。そして山林を守ると同時に都市の緑化とそこに降る雨を地面に吸収するシステムの構築を進めるべきでしょう。公園や街路樹の整備、屋上・壁面緑化、透水性舗装、雨水タンクなど挙げればきりがないほどの手立てが考えられます。しかしそれは今回の主題とは離れますので別の機会にします。
 いよいよ山の観光についてです。日本の山は高度から言えば世界の中では決して抜きんでてはいません。しかしそのヴァリエーションは群を抜いていると言われます。四季を通じての様々な変化があり、広葉樹林、針葉樹林をはじめとする樹木数の豊かさ、また南北に長い国土にはそれぞれの特色をもった山塊があります。知ったふうなことを書いていますが、私が登ったことのある山は主に中部山岳で、あとはせいぜい東北、上越の一部ぐらいです。あの百名山すらも完登した訳ではないので、割り引いて読んでいただければ結構なのですが、ともかくものの本によるとそう言ったことになっています。
 序章のところでこの国の登山道整備について少し触れましたが、このような変化に富んだ観光資源を持ちながら、登山道も含め山小屋や周辺設備の遅れは、山岳観光先進国と言われる国々と比較すると目を覆うばかりです(この辺りも物の本に依ります、物の本ばかりで実にどうも心苦しい)。私が実際に登ったことのある山域を見ても、以前より幾分良くなったとは言え、スイスやイタリアのそれと比べると格段の差があります(両国に行ったことは有りません、あしからず)。これは、登山と言う分野がマイナーだったことにもよりますが、山岳観光と言う視点に立てなかった国や自治体の姿勢が、今日の遅れを生み出していると言って過言ではありません。日本の山岳、山林は京都、奈良といった世界的観光地に匹敵する観光資源なのです。                    つづく


また罪滅ぼしなのね まったく・・・。