文化の日を前に

 文化勲章をもらう人は年金350万円のおまけが付くそうです。かなりの年輩の方が多いし、お金に困っているような人も見受けられないし、年金の趣旨から言うとあまり意味のある制度とは思えないのですが、文化に功績があった人なのでしょうから国が幾ばくかのお手当を出すことには反対しません。ただし年金より一時金のほうがより良いような気もします。なんせお歳の方も多い訳でロクに年金をもらわずにあちらに旅立つ方もいらっしゃるのではと要らぬ心配までしますが、その辺りも読んだ上での年金制度かとも思ったりして、まあ他人の懐の心配をしても仕方ないことでした。文化とはあまり関係の無いことに思いを致さず、文化的なことに思いを馳せましょう。
 日本国憲法には第25条に「生存権、国の社会的使命」と謳った条文があり、「全ての国民は 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と高らかに宣言しています。そしてそれらを実現するのは国の義務(努力義務という人も居ます)としているのです。“健康で文化的な最低限度の生活”とはどのようなものかと様々な意見がありますが、少なくとも食うに困らず、住むに事欠かない生活は前提であろうかと思います。生活保護制度と言うのはこの憲法の条文によって作られたものであると言えますし、また年金制度、健康保険制度などもこの条文の趣旨に沿ったものであると思います。この「健康で文化的・・」と書かれているように、健康と文化は車の両輪で、健康あっての文化、文化あっての健康とも言えるのです。でまあ例によってこの辺りからグズグズになって行くのですが、だとすれば、健康を保持するための施策が健保と体育の日だけというのも、いかにもお座なりのような気がするのです。もっと健康にスポットを当て、1年間病気に罹らなかった人には健保から報奨金を出すとか、人間ドックを無料にするとか、そういった制度もあって良いのではと思うのです。また健康を増進するために休暇を増やすとか、歩道や公園を整備充実して散歩や軽い運動が出来るようにするとか、もっと言えば、都市構造を文化的と言える状態に改造するなんてことも必要かと思います。今の街はお世辞にも文化的とは言えないお粗末ですから。やはり文化はその時々の国民のレベルを示してしまうから大切です。
明日は休日です。

足の爪噛んでいるからって 文化的でないこともないの