COP10

 案の定と言うか、当然の帰結と言うかCOP10の会議はもめているようです。私達の国の首相が会議に出席し、「大量絶滅は避けなければならない」と何か勘違いしているようなことを仰っておいでになりました。あの方は市民運動出身とかで、ああいった話題には強いかと思っていましたが、どうもそうでもないようです。どうも議員先生達の見識の無さには今更ながら呆れることしきりです。まあ原稿は官僚が作文したのでしょうが、仮にも議長国の首相ですから、もう少し気の利いた事を言って欲しかったですね。大盤振る舞いだけすれば良いだけの国と世界中から思われてしまいます。
 前にも書きましたが、このCOP10の眼目は先進国と開発途上国との距離をいかにして縮められるかにかかっている、と言っても過言でないように思います。この手の会議はいつもこの課題が横たわっています。そして残念ながらこの距離を縮めることはかなり困難と思わざるを得ません。ヒトの歴史の中でこれほどの人種、経済、宗教の異なる、言ってみれば多様性の中での会議が開かれる時代は、かつて経験してこなかったことだと思います。ヒトはこういった会議の経験は蓄積が少なく、つい最近までは「主要国」のみが取り決めたことをその他の国は追随する、もしくは従わざるを得ないというシステムの中で回してきました。さすがにここ数十年前からはそういったシステムが機能不全になり、やっと関係する全ての国を集めて会議する段取りが生まれたのです。しかしその間には先を走るものと後を追うもの、さらにその後からついて行くものといった利害関係が複雑化し、とても簡単には割り切れない数式が出来てしまったようなのです。私はもちろんのこと、これらに対する解決策を提示したり示唆出来る見識も知恵も有りませんが、国際会議を開催する前提として、この数式の解を見つける会議をまず開催する必要があるような気がします。そうすれば会議もスムーズに進み、効率的で実りあるものになると思うのです。
 温暖化を防止するための会議で、暑苦しい上着を着たままの参加者が、クーラーのきいた会場での会議を進めたり、生物多様性を守る会議で、国の多様性が会議を邪魔するようなことはあまり見たくはないのです。

難しいところではあるのよね