12月の明けの空

 このところの寒さはかなりのもので、まあ北海道に比べればちょろいものですが、さすがに朝の空を見る時間もやや遅くなりがちです。12月の明けの空は少し寂しい空で、南天木星が輝くほかはその少し下あたりにおとめ座のスピカ、また空の一番高い辺りには牛飼い座のアルクトウルスが赤く輝く程度で、ほかには目立った星は見えません。けれどもこれからは曙が一番きれいに見える季節に入ります。“春はあけぼの”と言うくらいですから定番の見物(みもの)の時期が近づいています。東の空の端が曙色に染まり始め群青色とせめぎあって創るグラディーションは、浮世絵そのままの色調です。”広重ブルー“とも呼ばれる空の色は、この時季ならではの透明感をもっていっそう鮮やかになります。寒い朝のほんのひと時のショウですが、目の保養になること請け合いです。
 巷では暴走国会や暴走オリンピック組織員会が幅を利かせて、賭場の開帳や不足分の1兆円の穴埋めをせがむ無定見と傲慢さ、自分たちの失敗を棚に上げて威嚇する軍人に無言の政府関係者と、国と国との関係を個人的信頼云々とかで慣れないファーストネームを呼び合う宰相の醜態の恥ずかしさと情けなさを、この暮れにきて続けざまに見せつけられてげんなりしているのですが、そんな時には少し早起きをして空を見るに限ります。いくぶん気も晴れて諦めるしかない状況が受け入れられるようになる、と思います。

寒い時には布団の中が一番!