初冠雪

 富士山にやっと雪が降ったらしい。今朝がた多摩湖まで散歩がてらに行ったときに見た富士山の頂上が白くなっていた。今までに一番遅い初冠雪が10月26日だったはずなので、今日の初冠雪はそれと並ぶこととなる。しかし今日は夏日の気温となって、とても冬の到来を感じさせる気候とは思えない。
 一昨日の午前3時ごろに見たオリオン星座は真冬並みの澄んだ空に輝いていた。それがたった2日で夏日なのだから体がついていかない。しかし来週は平年より低い温度の日が続くという予報が出ているのだから、実にどうも困ったものだなあと思うのだけれど、相手は何を言っても動じない“テラ”さんだから黙って受け入れるしかない。そう、今までが穏やかすぎただけなのだ。地面は四六時中動いているし、風や雨も地球をぐるぐる回っている。地下の奥底では煮えたぎった溶岩が渦巻いているし、太陽はギンギラギンとなって核融合を続けている。穏やかであるはずがない、少し考えれば分かることなのだ。
 この“少し考えれば分かること”と言うのがかなり曲者で、ヒトの大多数はこれが苦手と言える。だから「覆水盆に返らず」とか「災いは忘れたころにやって来る」、あるいは「転ばぬ先の杖」などと諺にして注意を喚起しているが、「そのうち何とかなるだろう」という楽観論が幅を利かし、墓穴を掘る愚を繰り返している。しかしながらヒトには“ケセラセラ”もしくは“Let it be”という道しか残されていないと思われる節もあって、富士山の初冠雪が記録的に遅くても、あるいはすぐ溶けてしまっても、すべては有るがまま、無いがぱぱと諦念するのが上策と言えなくも無い。
 今日は一日中快晴で穏やか?に気温は上がり夏日となった。しかし日中に寒冷前線が通過しているような天気図となっている。事実気圧も午後から下がり始めている。にも拘らず晴天は続き雲ひとつ出ない。天気予報の一般的常識からは測れない日が終わろうとしている。

今朝の富士山。頂上に白い雪が。