自然保護

 よく言われることですが、保護される自然などは無く、そんな概念はヒトの驕り、思い上がりの産物です、むしろヒトは自然に保護されて生きている、などなどいちいちご尤もな御説が有ります。私もそう思います。ヒトが自然に対し出来ることは、周りの環境に与える負荷を少なくしてつつましやかに暮らすことぐらいでしょう。
 ところがヒトの活動は際限なく、地球規模で見れば無政府的に且つ無定見に進められているのが実情で、このまま放置すれば自分の首を絞める事態が訪れるのは必定、西洋も東洋も、南も北も無く一蓮托生となって最後の瞬間を迎える運命のようなのです。そこでヒトは何を言い出したかと言うと、環境にやさしく、自然にやさしい、と言ういやらしいコピーでした。なんてことは無い、自分が助かるために自然をダシに使っているだけの話なのです。二酸化炭素がどんなに増えようと、熱帯雨林が丸裸になろうと、地球は地球としての存在に何ら不都合を感じること無く回り続けるでしょう。ヒト以外の他の動植物も、長い生命の歴史の中では十分にありうる事態として対応するだけのことと思います。どうやらヒトだけが大騒ぎしているだけで、それも自分の蒔いた種にびっくりして慌てている、そんな状況に思えるのです。結局のところ、自分のことしか考えられないヒトの特性が“御為ごかし”で自然保護を訴えている、のではないかと考えています。
 地球の歴史の中で、いわゆる大量絶滅は今までに5回ほど有ったと言われています。そしてすでに6回目が始まっているという学者もいます。地球に生命が誕生してから38億年、ひとつの種が連綿と続いたことはかつて無く、きっとこれからも無いのだと思います。だとすれば、ヒトがいくらジタバタしたところでいずれ絶滅の憂き目に会うのは避けようが無く、なるようにしかならない、と腹をくくるのも一つの処し方ではないでしょうか。今さらハイブリットカーに乗り変えてもあまり意味が有るとは思えないのです。
 蛇足ですが、日本に有る自然保護団体は欧米諸国と比較すると、その規模、質ともに小さく貧弱です。最大の団体は日本自然保護協会でその会員数1万5千余り、なぜか私もその末席の名を連ねています。因みに英国のナショナルトラストは湖水地方や各地に多くの土地家屋を所有するなど潤沢な資金と会員数を誇り、米国のシェラクラブの会員数は130万とも言われています。そして、ハイブリットカーが世界で一番普及している国はおそらく日本だと思われます。

みこたん草創期(みこたん保護協会資料提供 現会員数5名)