今年最後の大風呂敷

さていよいよ今年も押し迫ってきましたので、最後の大風呂敷を広げたいと思うのです。
題して「日本改造計画」、何となくかつての新潟出身元首相がぶち上げたものに似ていますが、根本的に異なる点は人口抑制と経済低成長路線が目玉となる計画であることです。
 今この国は出生率の低下を何とかしようと、待機児童の解消とか保育士の待遇改善、あるいは三人目の子供には特別手当などと、“産めや、増やせや”に躍起となっています。戦時中じゃあるまいし、兵隊を補給する必要などない(ひょっとしてあるのかなあ)と思うのですが、経済成長という“戦い”に勝ち抜くためには、また高齢化社会に対応するには是非と“戦力”が必要と言うことらしいのです。まあこの辺り、芸がないと言うか旧態依然と言うか、非常に短絡的な知恵のない策が声高に言われています。
 そこで私(わたくし)が思うに、この国の人口は概ね5000万人を目標として、医療、観光、介護、そして先端技術と農業を主な産業に位置付け、必要な財政需要、歳入などを割り出して国の設計をするのです。これらを国民投票によって決めて政治機構、行政機構を新たに再編するあるいは構築するのですね。社会保障費が予算の3分の1にもなる、なんて驚くには値しません。国は国民の生活と権利を守るのが本分ですから、社会保障費は5割6割となっても良いのです。教育や住宅やインフラ整備も基本的には社会保障の枠の中で考えられるべきであり、軍事費や産業整備に使われる予算を廃止もしくは削って、効率的な行政と簡素な政治運営に徹した組織づくりを行えば十分に実現可能なビジョンと申せましょう。空理空論と言われればその通り、裏付けも何もありません。もともと風呂敷を広げただけの中身のない話です。けれどもまるで実現性のない政策を“道半ば”と胸を張る宰相とも50歩100歩なのですから、私(わたくし)だって言うぐらいは出来るでしょう。なんせ蕎麦屋の窯ですから。
 ところで今の人口を約半分にしなければ5000万人という目標は達成されませんが、これは唯一実現可能な課題とも言えるようで、確かこのままの出生率を維持していけば50年だか100年だかで達成されるそうです。待ち遠しい限りですが、残念ながら私はそのころは居ないから祝賀会には出られません。


だらける。