春のギャラリー再展示展

近ごろのTVは再放送が大流行で、BSなどはその最たるものとなっております。そこで私どももこの例に倣い、かつてこの場でお目にかけたものを再度登場させることといたしました。もちろん厳選、選りすぐり、熟慮に熟慮、推敲に推敲を重ねたものを“粛々”と再登場させることとなります。苦し紛れの企画をお笑いください。
しかし何ですねえ、首相はじめ防衛大臣官房長官までが口裏を合わせたように使っていた”粛々“という表現を、今後は辺野古の工事を進めるにあたっては使わないということらしいですが、これからは”強引“とか”強力“とか”無理“とでも表現するのでしょうか。私どものギャラリーはあくまでも粛々と進めてまいります。

再登場第一弾は「壺」です。紙にパステルで描かれたなんてことはない絵ですが、壺の表面の質感に注目していただけると、この絵のなんてことはない処が良く分かります。まさになんてことはないのです。あのフェルメールだってよく見ればなんてことはないのです。まあ何もフェルメールを引き合いに出すこともないのですが、あの人は描く対象に当たった光を忠実に再現しただけの画家ですから、ある意味では平凡な画家なのです。フェルメールは超有名、「壺」の作者は無名、ただそれだけの違いです、でもないか。

壺           パステル・紙