春のギャラリー 再展示展2日目

今日のものもパステル画です。パステル画と言えば踊り子を描いたドガが有名ですが、小学校で使うクレヨンやクレパスパステルの一種で、パステル画というと何か子供の描くもののような印象もありました。しかし高度な技法を駆使したドガやボナールなどによって、油彩に負けない画材として今も多くの画家に愛用されています。パステルにはソフトとハードがあることはご存知の方も多いと思います。ドガなどが使ったのは主にソフトで、色数も多く発色も鮮やかです。もちろん高価ですから子供のいたずら書きには適しません。クレヨンやクレパスはハードパステルの安価版のパステルですが、画家の使うものは発色性もよく定着性があって重ねて使うことも出来ます。ソフトパステルはボカシなど技法が得意な画材で、デリケートな表現が可能です。ただ定着性が悪いので揮発性の定着液などで固定します。
「深緑の山道」もボカシを多用したソフトパステルによって描かれています。山道にかかる赤いものはツツジのようですが、すでに花の時期が過ぎ深緑に負けているようです。奥多摩のミクボ高原からの下山途中の山道とのことで、全体のトーンは初夏の山道を思わせます。言うまでもなくドガとは比べようもありません。

深緑の山道            パステル  紙