春のギャラリー 3日目

一昨日に続き昨日もコメントをいただき有難うございます。今日もオイルパステルの作品です。同じような作風ですがご覧ください。
 蛇足になりますが、20世紀に隆盛を極めた抽象絵画の流れはこのところやや下火で、変わって具象や写実に注目が集まっているようです。これは政治や文化の保守化傾向と同様な動きでもあるようで、芸術にとって良いことなのかそうでないのか、判断が難しいとも言えますが、一人よがりの一過性の作品を有難がる風潮には一定の結論が出たとも言えるのではないでしょうか。
 芸術が「アート」と呼ばれるようになって、犬(本来は猫ですが、猫は存在そのものが芸術です)も杓子も「アーチスト」などと申しますから、すでに芸術は民衆化されて特権的分野ではないかも知れません。けれどヒトの数少ない優れた資質の一つが「美」を創造することであり、絵画はその一分野で革新を続けてきたのです。抽象絵画はそういった流れの中で到達した一つの高みでもあるのですから、さらに一層の努力を画家の皆様にお願したいと思う今日この頃でもあるのです。

青い皿の果実   オイルパステル 紙F4