ファウスト

 私も名前ぐらい知っています。本の題名であることも知っています。手塚 治虫の漫画で読んだこともあるし、“時よ止まれ お前は美しい”などという有名なセリフの出てくる本であることも存じております。しかしまともに読んだことがないのです。話の中身があまりに有名なのでついつい読んだ気になってしまっていたのです。遅ればせながら、ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲエテさんにお目もじしています。
 なぜ突然“ゲエテ”なのだと言われても説明できないのですが、やはりファウストの年齢に近くなってきたことが原因しているのかもしれません。ただ私の場合はファウストのように「めくるめくような思い」や「死なんばかりの快楽」を求めるほどに元気もないので、ゲエテさんが60年もの歳月を費やした理由の一端でも垣間見られればそれで良いのです。いずれ時は止まるし、その時までの暇つぶしになればそれで良いのです。しかし、“手塚ファウスト”ではメフィストーフェレスは若い美人の悪魔で、あんなのが目の前に現れたらそれはそれで少しは考える余地が出てくるかもしれません。何を考えるかと言うと、それはまあいろいろ考える訳ですね、これが。
先週は“腹立たしいこと”もあったので、今週は楽しく過ごしたいものです。

私は悪魔ではないわよ。