稚拙

 先週末に起きたことですが、尖閣諸島に絡んで逮捕拘留されていた中国漁船船長の釈放は、何かおかしい、変なのです。私もテレビや新聞で知る程度の情報量ですから、的確な状況分析などとは縁遠い所に居るのですが、それでも頭をひねってしまうような事態でした。那覇地検(一地方検察です)が「国民への影響」と「日中関係」を考慮し、処分保留のまま釈放を決めたとの報道でした。それを受けて、内閣の要である官房長官が「地検の決定を了とする」と言い放ち、それ以上の言及を避けたのです。
 政府はこの問題については、「法にのっとり粛々と進める」と再三表明していました。つまり自国領海内での他国船による海上保安庁船舶への公務執行妨害に対する事件として、あくまで法律的に処理を行うとしていたように見受けられました。とすれば、一地方検察がやれ日中関係国民感情だなどと釈放理由を掲げる真意はどこに有るのでしょう。これは政府の「法にのっとり粛々と・・」という立場に反する行為と言わねばなりません。ところがこれを受けて官房長官は「了と言うしかない・・」と自らの立場を放棄するかのような振る舞いに出たのです。官房長官が何を勘違いしたか不明ですが、この問題は単に公務執行妨害だけでなく、領土問題が絡んでいることは周知のことです。だからこそ、「冷静な対応」と盛んに言っていたのでした。そういった問題に一切頬っかぶりして「全ては検察の判断ですか・・」は無いでしょう。法律的には早期釈放が妥当と言えるような事件らしいのですが、ここまで引っ張っといてこの対応はあまりに稚拙と言え無くはないでしょうか。早速前の政権党の方や大人げない知事閣下などが言いたい放題言ってます。“目くそ鼻くそを笑う”とはこの人達のために有る言葉のようですがなんとも・・・。
 どっちもどっちと言うか、もう少しまともな政治運営が出来ないんですかね、この国は。まったく参っちゃうよね、だから言ったじゃない、中国偏重だとかアメリカ偏重は駄目って。ついでに言っちゃうけど、為替ね、あれも固定相場にしたほうがいいですよ、もう円売りドル買いなんかでは対応できない時代なんだから。

良く見ると 私も危うい状態なのね。