十三日目

 昨日の菅首相小池都知事の会見は、相変わらず“お願い”ばかりで何ら具体策を示さないものでした。現在の状況をなんとしても改善したい、感染を抑え込みたいと訴えるなら、なぜオリンピックに触れないのか、それを無視した訴えはまるで誠意も熱意も感じられません。オリンピック開催が最優先事項であり、そのためにコロナを抑え込みたいと正直に言うならともかく、いかにも皆さんのためのようなおためごかしを聞かされても納得できるわけがないのです。

 昨日も言いましたが、冷静に現実的に考えれば、あと数ヶ月でコロナ禍が沈静するはずもなく、「平和と希望の祭典」と言われるオリンピックの趣旨(今では遠く離れてしまったようなスローガンですが)からも外れまくっている状況の中で、なぜ開催にこだわるのか理解に苦しみます。IOCや一部の関係者の都合でごり押ししていると思われても仕方ありません。国民の多数が”こりゃあ無理だわ・・“と言ってるんですから、それに沿った対応をすべきです。きっと経済的損失云々といった議論をその筋の人たちは考えているんでしょうが、コロナ禍の克服を真剣に考えればオリンピック開催よりも経済的メリットは大きく、人命の尊重というお得意のお題目にも沿ったものであると思います。

 それにしても、首相会見で記者の「どのような感染状況になってもオリンピックを開催するのか」と言った質問に、菅首相は「対策を徹底する事で安心安全云々・・」とあくまで大会は強行する意向を示しましたが、まったく現状認識にかけること甚だしい限りと感じられました。また、小池都知事が盛んに言っている「今は旅行や行楽は中止して・・・」という言動も、今一番に中止するのはオリンピックの開催でしょうがという常識が欠落しているものとしか理解できません。