バッテリー

 古いデジカメの充電式バッテリーが、すでに寿命となっていてすぐに上がってしまう。カメラ屋に行ってみないと分からないけれども、もうこのカメラ用のバッテリーは製造されていないのではと思っている。仮にそうなるとカメラ本体はなんでもなくとも、もうゴミ同然となってしまい使えない。今のところスペアーバッテリーと交互に騙しながら使っているが先の見通しがない。
 一眼レフカメラもいつの間にかすべてバッテリーで動くようになってしまい、電池が切れればフィルムを巻くことさえできない。私が最初に買った一眼レフカメラは、当時の私の給料の3か月分くらいの値段であったが、手でフィルムを巻き露出は経験と勘で決めた。当然のこと電池などは使ってないから今でもフィルムさえ入れれば完全作動である。今のデジカメは数十万しようがなんだろうが、電池が切れればそれでお仕舞い、何もできない。便利になったのか不便になったのか考えてしまうが、焦点合わせや露出など面倒な作業に煩わされずに、なんといっても現像に出す手間がなく、修正や補正が簡単にできる利便性にはつい負けてしまう。いまだに古いタイプのカメラに拘る人もいて、フィルムと縁を切れないことを楽しんでいるようだ。仕事ではなく趣味のものとしての写真は、手間暇かけることに面白さを見出すとも言えるが、フィルムと現像という二つのハードルは決して低くない。
 もうフィルムカメラを使わなくなって久しいが、捨てる気にもなれずカメラケースの中で埋もれている。デジカメのバッテリーが陳腐化して次世代動力、例えばソーラーなどで作動するものが出てきたら、いまのデジカメはすべて陳腐化してしまうのか。考えると壮大な無駄をしているような気持になる。


無駄 無駄ね