六月の・・・

いよいよ2014年の前半最後の月となりましたなあ。もちろんこれといった意味はなく、ただそう言ってみただけのことで、来月になれば2014年後半最初の月という、まことに当たり前の時間系列を確認しただけの、しかし考えようによっては時が過ぎていく実感を表現する、まさにその為にする言葉の羅列であるとも言え・・・ないでしょうなあ。
枕草子」では「頃は 正月 三月 四月 五月・・」ときて六月を飛ばし「七八九月 十一 十二月・・」となっておりまして、清少納言さんも六月にはあまり思いを致さなかったようなのです。西洋では「ジューン・ブライド」などと言いますから六月も賑やかなのでしょうが、私たち国では六月=梅雨といった印象が強く、“さわやかな五月”の後の陰気な月との思いが付き纏います。しかし、紫陽花や菖蒲の雨に濡れた風情も良いもので、雨上がりの空や雨の滴の付いた蜘蛛巣など、雨の時期ならではの楽しみもあります。
雨の日には気に入った傘をさす、といった楽しみ方もありますが、あえて傘をささずに帽子とレインコートで決めることに憧れた時期がありました。ハンフリー・ボガードがトレンチコートの襟を立てて、帽子を少し斜めにかぶり雨の街を当てもなく歩く、などというシーンにかぶれてのことでしたが、小雨程度であればともかく六月の雨はかなりの雨量ですから、バーバリーのコートと言えども長時間歩くにはある程度の濡れは覚悟が必要だったのです。帽子もオイルが十分に染み込んでいるものやフェルトの型押しでないとダメで、主に外国製のかなり高価なものとなってしまうので雨の日に使うには、それはそれで一大決心が必要というおまけつきの難点がありました。
そんな雨の六月ですが、この暑さは何でしょう、これはもう真夏ですよ。

こんな寒い時もあったのですが・・・