富士山の入山料

7月8月の夏の間に登山するものから入山料金を任意で徴収する案が出ています。世界遺産となる予定の富士山での話です。
登山の際に入山料が問題となったケースは古くは尾瀬などがありますが、実際に徴収されたことはなく、この国の山への入山は原則タダです。ヒマラヤなどでは入山料はその国の重要な収入源ですからかなりの金額が徴収されるようですが、先進国ではあまり聞いたことがありません。それは山が本来的には国民共通の財産であるからで、水や空気の貴重な供給源であり、動植物の生息地であり、同時に登山が国民に開かれたスポーツでありレクリエーションであるからです。かりそめにも先進国と名がつくような地域では、そのようなセコイことはしないのが一般的です。
大体誰が何の権利で入山料を徴収できるのか、徴収した入山料は誰がどう使うのか、納得できる説明と根拠が何処にあるのでしょう。どうせ地元振興とか世界遺産の維持とかに使うという理由が説明されるのでしょうが、あの汚い醜悪極まる5合目の惨状や、お粗末で不衛生でおまけにぼったくりの山小屋の営業態度を鑑みるに、入山料の行方はロクでもない使われ方しか思い浮かびません。私は夏のあの時期の富士山などもう興味が無いので、入山料が設定されようがされまいがどうでもよいのですが、悪しき習慣の先例となってしまうことを危惧しているのです。
しかし、なんで行列までして富士山に登りたがるのか、その辺りも理解に苦しむのですが、世界遺産に登録されることでより一層の混雑が予想され、静かな富士山は当分の間望むべくもないでしょう。ユネスコも迷惑なことをしてくれます。
 

入山料はいらない甘利山 レンゲツツジの大群落(昨日)