投票棄権

都議会議員選挙が始まり賑やかというか、まあ以前と比べれば格段と静かですが、それでも少しばかりは騒がしくなっています。来月には参議院選挙も控えていますからここしばらくはザワツクのでしょう。
議会制民主主義の土台というか第一歩となるのがこの投票行為で、投票権を得るために先人達は多くの犠牲を払ったと言われています。そうして手に入れた議会制民主主義も、近頃では形骸化したり無力化したりで、一体何のための誰のための選挙なのか理解に苦しむことが多くなっています。政党や宗教団体、利益集団や候補者、あるいはその周辺にいる人たちには選挙に対する関心も期待も大きいのでしょうが、そこから離れている私などは、一体だれに投票すればよいのか毎回頭を悩ますことになります。政治家という人種を基本的に信用していないことがその理由の一つですが、消去法で選んでいくと誰も残らないという、魅力的な候補者がいないことも大きな理由となっています。出来るだけ棄権だけは避けたいと思い続けてきましたが、ここ数年は棄権も意思表示の一つではないかと考え始めています。
投票率が例えば50%台を割りこむことになると、定数1人の選挙区の場合の当選者は、最大で25%の支持しか得られなかったことになります。見方を変えれば、75%の有権者からは“NO”とされたことになる訳で、そういった人達で構成された議会は有権者のマジョリティを得ているとは言い難いのではないでしょうか。現行の衆議院選挙ではまさにそういった状況で議員が選ばれ国会が運営されています。上位から得票数順に当選者を決める多くの市町村選挙以外は、参議院都道府県も衆議院選挙と同じ矛盾を抱えています。そしてそういった状況は、今のままでは決して改善されそうにはありません。
現行の選挙制度に不満のある人は、投票の棄権をすることも選択肢に加えて良いのかもしれません。投票率が30パーセントを切るような事態が続くようになれば、議会制民主主義の危機ですから、さすがに鈍感な私たち有権者も議論の必要性に目覚めることでしょう。だめかな。
 

貴女に投票します