隔世の感

中国の習近平主席が英国に国賓として訪問し、エリザベス女王主催の晩餐会に出たというニュースが流れています。おまけに5兆円とか7兆円とかの商売の話もまとまったとかで、中英ともに湧いているそうです。それと、中国製原発を英国が輸入することも決まったようで、今読んでいる陳舜臣の「阿片戦争」から思うと時代の流れを感じます。
清王朝大英帝国によってボロボロにされた「阿片戦争」は、中国という国が4000年の歴史の眠りから覚醒する第一歩だったとも言える事件で、その後の中国に対する西欧と日本のえげつない利権漁りを呼び込むきっかけともなった事件でもあったのです。それが今は英国に原子炉まで売り込むのですから、大英帝国も中国製品の低価格と中国マネーには敵わなかったということでしょうか、まさか原子炉が阿片のお返しという訳でもないでしょう。「習王朝」の遠謀深慮のほどは分かりませんが、ともにやや陰りの見え始めた国同士ですから、エリザベスさんもキャメロンさんとても昔の栄光などに拘っていられないし、ドイツが“ワーゲン問題”でもたついているうちに、なんとしても英国の存在感をヨーロッパの中で際立たせたいと、やはり考えているのでしょう。俯瞰外交などと言ってドサ回りする宰相などに関わっている暇はないと両国の首脳は考えているのかも知れません。駐英日本大使が今回の習訪問をけん制するかのような会合だかパーティーだかを開いたようですが、きっと軽くあしらわれたんでしょうね、日本も落ち目だから。
さて、来週でもう10月も終わりです。残すところ2か月となって忙しい人は忙しくなるのでしょう。私は盆も正月もありませんからあまり変わらない日々が続くのですが、寒くなると雪のことが気になり、雪が降り出すと山が一層気にかかります。

入笠山からの八ヶ岳連峰