一万尺の名月

なぜか快晴続きの先週、仲秋の名月を観るため御嶽山に登ってきたのです。
「月は東に 日は西に」の句通りに、蕪村の世界が一万尺の高みに再現されました。湧き上がる雲の彼方の日本海方面に沈む夕日と、八ヶ岳を覆い隠す雲海から昇る中秋の名月という、大変結構な景色を堪能した一日でした。頂上から少し離れた二の池小屋に泊り、翌朝は定番の頂上でのご来光を拝み、これで今年も何事もなく・・・、と言うには早過ぎるのですが、無事厳しい夏を終えたという、実にこの目出度い一日でもあったのです。
 何十年かぶりでの山小屋泊まりは、床に敷いた布団が硬くて何度も寝返りを打つ羽目となり、結局そのまま朝を迎えました。土の上だろうとコンクリートの上だろうと、何処でも眠れた体はもう望むべくもないようです。いつまでも有ると思うな 若さと気力。

雲海から昇る仲秋の名月

雲の海に沈む太陽