証人喚問

 暇なもんですから午前中から国会中継されていた“森友学園問題”の国会中継を見ていました。証人として出席した籠池氏はまったく悪びれていなくて、むしろ堂々たる様子でさえ見える態度でした。念願の小学校はオジャンになりそうだし、補助金の返還請求や工事代金の支払いなどで、とんだ負債を抱え込む羽目となったのですから、もうヤケクソとなって開き直っているようでもありますし、手のひらを返した政治家や安倍首相などに対する憤懣やるかたない、そんな表情が見て取れました。籠池氏にしてみればもう噓をつく必要もないのですから、強気になるのは当然と言えるのでしょう。それに引き換え自民党公明党の質問者は、甚だ迫力に乏しい誘導尋問と、“籠池は嘘つき”を印象付けようとする質問に終始しているようで、“こりゃあ勝負あったなあ”と思えるものでした。
 国有財産を大した理由もなく“捨て値”で売ったりする理財局や、やたらと甘い森友学園への私学認可の実態、前言を翻して無関係を繕う首相や政治家たちの狼狽えなど、一昔前の自民党政治の悪弊がそのまま再現されたかのような印象がします。「共謀罪」法案や労働時間の上限問題、天皇生前退位の審議など、今国会で議論すべき課題はいくつもあり、“森友”だけに関わっていられないはずとも思いますが、どうもこの問題をスケープゴートにして後の重要法案をバタバタ纏めてしまおうという、政権与党の思惑さえ感じる証人喚問劇です。
 それにしても、籠池氏が所属する「日本会議」とやらに関係する閣僚が多数派を占める現政権で、“身内”を嘘つき呼ばわりする与党議員と、籠池氏にとってはむしろ“敵”とも思える野党議員から“塩を送られる”かのような質問を受ける心境はどんなものなのでしょう。敵の敵は味方、でもないでしょうが・・・。

まあ そんなものね