予想外の結果

 アメリカの大統領選挙は大方の予想を裏切ったトランプ勝利となって終わりました。予想外と驚きを一番感じたのは外ならぬ二人の候補者だったのではと思いますが、クリントン候補は前回オバマに負けて候補者を降り、今回やっと候補者としてほぼ間違いなく当選するだろうと、本人も周辺も思っていた状況での敗北はおそらくブチ切れていることであろうと推察します。得票数では僅かにではあるにしてもトランプを上回っていた今回の選挙は、選挙人選出という妙な制度のなせる結果ではあるにしても、クリントン女史にとっては憤懣やるかたない、といったところでしょうか。すでにカリフォルニアやオレゴン州ではトランプ大統領は認めないというデモが起きているという事態は、アメリカの置かれている複雑な政治環境を反映していると同時に、“トランプアレルギー”がそう簡単にはなくなりそうもないと予感させます。また“アメリカンリベラル”の巻き返しがどのような形で現れるのか、あるいはこのままアナクロ的な“強いアメリカ”の流れが勢いを増すのか、外野席で見ている分には面白い見ものとなるでしょう。ここ一両日の株価や為替相場の乱高下は、そんなとんでもない事態の幕開けを感じさせるのです。ある意味では“オモロイこととなった”と不謹慎にも思ってしまいました。


中津峡の紅葉