場当たり的そして無責任

 まずは京都市長の発言。このところ京都は外国人観光客が急増して宿泊施設の不足が深刻化していると言います。まあどの程度の深刻さなのか知りませんが、とにかく観光業界にとっての稼ぎ時を逃すなとばかりに、規制緩和して住宅街にもホテルを建設できるようにしたいという発言をなさっていました。言うまでもなく京都は千年の歴史を持つ都ですから、もとより観光は主要な産業とも言えるものです。そしてその観光資源は寺や神社などのいわゆる名所旧跡だけでなく、“町屋”と言われる街並みに代表される京都の持つ雰囲気、千年の時間を感じさせる独自性ではないでしょうか。それらをぶち壊してまで観光客を呼び込むことが“角を矯めて牛を殺す”と同意義であるとは、京都市長さんはお考えではないようです。実に古都にふさわしい首長と言えます。
 そして次はあの豊洲新市場に関わる都庁幹部及び石原元都知事の言動です。責任のなすりあいを通り越して、責任意識の欠如とでも申しましょうか、文字通りの“無責任”を絵に書いたようなものをこのところ連日見せられている、この幸せをなんといって表現したらよいでしょう。まさに至福の時です。良い時代に生まれたものです。なんせ契約書の中身を見ないでハンコを押し決済してしまうんだから、なんでも通っちゃう、フリーパスの世界だもんね。


無責任ってなーに