恐れていたことが・・・

太陽光発電が自然破壊の元凶となってしまうというブラックユーモアのような事態が、どうもあちこちで起きているようなのです。
周辺住民との裁判訴訟まで発展した北杜市の例は、偶然にも知人が関係していたこともあって前にもここで書きましたが、長野県諏訪市でも水源の山林がメガソーラー計画によって森林伐採の計画が持ち上がっていると言います(自然保護協会機関紙 5・6月号による)。電力の販売が自由化され、価格競争に一層の拍車がかかる電力業界ですが、安定供給と低価格化が強く求められている太陽光発電は、関係事業者がより安い設置場所を求め周辺住民や自然環境などを考慮に入れない、メガソーラー施設の開発に傾いていると言われます。かつて牧草地や薪炭林として利用されてきた草原や山林が、土地価格の安さ、大きな面積を利用できるというメリットに着目されてメガソーラー発電の開発地となっていき、それに伴って様々な問題も起こっているのです。国も自治体も太陽光発電を環境影響評価の対象としておらず、いきおい無原則で野放しの開発が進んでいます。北杜市の例はその端的なものとして裁判にまで発展していますが、今後このような問題が多発してしまう恐れが出ているという訳です。
原発に頼らないクリーンで再生可能なエネルギーとして、太陽光発電の果たす役割はこれからますます期待されるものと思われます。にもかかわらずこのままでは“それ見たことか”と、原発推進のはずみ車ともなりかねません。それとも原発再開を最優先政策として積極的に進めている安倍内閣は、あえてこの問題を放置しているのでしょうか。国に対して太陽光発電に関するガイドラインの早期策定と自然エネルギー利用の一層の喚起を強く望みます。


お久しぶり