銃規制

オバマ大統領が大統領権限を行使してでも銃規制を行うと宣言し、共和党はそれに対して権限乱用と反対する意向を表明したとアメリカからのニュースが伝えていました。
文明先進国であり人権と民主主義の担い手として自負する社会でありながら、銃という武器が日常の生活の中にしっかりと組み込まれている社会でもあるアメリカは、先進国の中では抜きんでて銃犯罪の多い国でもあります。他人様の土地に勝手に押しかけ、銃と馬で先住民を追い払った歴史を持つアメリカ合衆国は、威嚇と自己防衛のためのライフルとリボルバーは建国以来の国民的伝統なのだと思います。ある意味では未成熟な社会であり、暴力による支配を是認してきたともいえる「開拓民」の子孫たちの国ですから、そう簡単に銃の魅力から脱することはできないと考えられます。
私たちの国で銃を常時携行しているのは警官ですが、考えてみるとあれも妙な話で、一般市民の私たちは銃の所持を認められていないし、ましてや携行などはできません。国家権力の一番下っ端の巡査だけが銃を常時持ち歩いているのですが、この巡査の主な仕事は一般市民の安全の確保でしょうから、銃の必要度はかなり低いと思われるのです。確かイギリスの巡査は銃を携行していないはずですし、戦前の巡査も銃を持っていなかったはずです。よくは知りませんが戦後の進駐軍の方針で、つまりアメリカの事情をそのまま日本に持ち込んだことがその発端と思われるのです。あの当時日本では銃の製造は認められていなかったはずですし、S&Wのリボルバーは米軍のおさがりではなかったのでしょうか、どうもそんな気がします。すでにその頃では米軍の正式拳銃はコルトのオートマチックとなっていたはずですから、中古のリボルバーが大量に余っていてそれを日本の警察に使わせた、のではないでしょうか。
アメリカの銃問題はアメリカ国民に任せるとして、日本の警官の、特に巡査の銃携行もそろそろ見直す必要があると思います。

銃より怖い猫キック