時よとまれ おまえは美しい

言わずと知れた「ファウスト」の名台詞です。今週から読み返しているのです、「ファウスト」を。池内 紀訳の本で、ここでは「時よ、とどまれ おまえはじつに美しい」となっています。なんで「ファウスト」などといぶかしげに思われそうですが、夏でもあるし、たまには古典と言われる本も読んでみる、あるいは読み返してみるのも一興と気取ってみました。
もうえらい昔になりますが、たしか中学生の頃であったと思います。気の合う友達に妹が居まして、まだ小学校に上がる前くらいの齢であった思いますが、その子にとても懐かれていました。目の大きなかわいい子で、私も妹のように思ってよく遊んであげたのでした。その後私は引っ越しをして、と言っても同じ市内への移転だったからそう遠いところに行ったわけではないので、いくどかその友達の家に遊びに行っていたのです。遊びに行くたびにその女の子に大歓迎され、帰る時にはまた来るように念を押されるほどでした。しかしだんだん引越し直後ほど訪れることがなくなってそれきりとなりました。
ファウスト」を読んだからと言うわけではないでしょうが、旧い記憶が唐突に浮かびあがってきたのです。遊び行ったときにごちそうになったお昼のおかずがコロッケだったことや、玄関の間取りなども思い出したのです。その友達の名も女の子の名前もすでに忘れってしまって思い出せませんが、白いペンキが塗られた家の玄関に入っていったこと、女の子が上り框から手を出したことなどを想い出しました。「時よとまれ、おまえは美しい」という呪文が呼び覚ましたからでしょうかねえ。
話はまったく飛びますが、自民党の安保CMアニメがユー・チューブでパロディ化されて大人気です。“教えてあげる ひげの隊長”で検索するとみられます。すでに本家よりアクセス回数が超えているようで、新安保法制のデタラメさがよく分かる傑作パロディとなっています。アカリちゃんの声の人、上手いなあ。才能は万人力です。

時よ止まれ 私は眠い