掛け算、割り算が・・・

先週の土曜日に起きた小笠原沖を震源とするM8.5(その後M8.1に訂正)の地震は、震源に深さが580キロ(その後682キロに訂正)というかつてあまり聞いたことのないような深度のものでした。私はその時とっさに“えーと地球の直径は・・”と思って、たしか赤道付近の一周の距離が約4万キロ(これは光が1秒間に地球7周り半を進む、という記憶を頼りに出した数字です)だから、これをπで割り戻せば直径が出ると考えたのです。ところが手元の電卓が無かったので筆算でやろうとしてはたと止まってしまいました。割り算の筆算が出来ないのです。試に掛け算をやろうとするとこれも出来ない、忘れているのです。普段から電卓もしくはPCのお世話になりっぱなしの生活を送り続けているので、簡単な計算、漢字を書くという作業がまるで駄目になっていたのです。
慌てて紙と鉛筆で記憶をひっくり返してどうにか筆算の方法を思い出しましたが、漢字となるとこれはもうほとんど手遅れ状態で、ワープロ機能のPCが無ければ漢字が出てくるとその都度辞書を引かなければ文章が書けない有様でした。まったく機械に頼る生活というのは脳の老化を促進してしまうようです。
肝心の地震ですが、震源が異様に深いということで、揺れが長く続いたことも、またマグニチュードが8.1という巨大地震であったのも拘わらず、震度5強が最大震度という、普段経験している地震とは少し毛色の変わったものでした。それで、地球の直径の話ですが、約12,738キロメートルという数字が分かりましたから、半径はその半分で約6,369キロメートルとなり、震源の深さ682キロメートルは地殻を通り越して上部マントルに達する深さということになります。そんなところで起きる地震というのはどういったメカニズムなのか、なぜ突然に600キロ以上の深みから地表まで届くような巨大地震が起きたのか、口永良部島の噴火と関係ないのか、掛け算割り算が出来なかったことより心配な地震であったのです。

標高1300メートルの山藤