如何なものかと

安保法制案の審議が始まった国会のTV中継をこのところ観ます。ずーと観ている訳ではないのでたまたまなのか偶然なのか判断がつきかねますが、安倍首相はやたらと手を上げて発言を要求しているようです。一昨日も民主党の委員が中谷防衛大臣に対しての質問を、勝手に手を上げて答えていました。そして昨日も同じような展開を演じ、挙句の果てに議論を中断させるわ野次は飛ばすわの“大活躍”でした。
あれは一国の責任者として如何なものかと、あまりに浮ついているように取られかねないのではと思ったのでした。今回の法案は提出大臣が中谷防衛大臣でしょうから、基本的な受け答えは主管大臣が担当すべきです。総理大臣はあくまで統括官ですから、指名されるまでデンと腰を落ち着けているのが筋と思います。おまけに答弁に立ち野次られるとすぐに野次に応える始末(自分も野次のことは忘れているのかしらん)で、質問者に対して失礼極まりないと言われても仕方ない態度です。そして大臣席では質問者の質問内容に薄ら笑いを浮かべたりしているのですから、どうも品格にかけるというか子供っぽいというか、始末が悪いと思われます。
そもそも今回の法案は、憲法の精神を踏みにじるような内容を持った、この国が曲がりなりにも守ってきた非戦、不戦というカテゴリーに一歩も二歩を踏みこむ法案です。そんな重大な法案を提出しておいて、自分勝手な論法や相手を馬鹿にしたような態度で審議に臨むなどは言語道断、もっての外であると言えます。だいたい国会審議日程も決まらないうちから“親密”な国の議会や大統領に“8月までには決める”と約束したり、10本だか11本だかの法律案を一括して審議にかける乱雑さといい、“多数”を当て込んだ“結論ありき”の強引な審議態度が見え見えの国会運営なのです。
今読んでいる「昭和史」で、第2次近衛文麿内閣が昭和15年に発足して日独伊三国軍事同盟や大政翼賛会など戦時体制が着々と進められ、第1次近衛内閣時に成立した国家総動員法と合わせて強引な国会運営が国民を戦争に引きずり込むことになる経過が記されています。偶然ですが、安倍内閣も“第2次”で“お坊ちゃん”と“お公家さん”と似たような境遇に、悪ーい予感がするのですが如何なものでしょう。

品格が無いのね、あの人は。