食料とエネルギー

日本は食料とエネルギーの自給率が低いことで、残念ながら先進国の中では群を抜いている国です。農水省の2013年のデータによれば、食料自給率はカロリーベースで39%、生産額ベースで65%となります。畜産などに使う飼料自給率は26%でどれも先進国中最下位の自給率なのです。よく言われるように豆腐も醤油も納豆も輸入大豆でその多くが作られていて、“和食”は調理部分だけなんてこともあるようです。
エネルギーともなると、もうこれはほとんど外国依存となり、石油はもちろん天然ガスやLPGはほぼ100%輸入に頼ることとなります。かろうじて水力発電によるエネルギー供給があり、これだけは自前です。日本は水資源が豊かと言われ、水力発電潜在的能力が高いそうです。しかし原子力偏重で徐々にその発電規模は縮小されてきました。ところがあの3・11で再び脚光を浴びています。ただ以前と同じような大規模ダムの発電ではなく、中小規模の発電所を数多くつくることでエネルギーも地産地消の考え方が大きくクローズアップされています。一説によればそういった取り組みで総電力の3分の1程度を水力で賄える試算もあります。
国の安全と平和を考える場合、まず生活に密接な部分の確保が挙げられます。衣・食・住と言われるように、落語の寿限無にも出てくる通り“食う寝るところ、住むところ”がまず第一なのです。そして現在では衣食住を支えるエレルギーの確保が不可欠です。政府与党が進める“戦争法制法案”はこう言ったこの国の基本問題の解決に全く無力であるばかりでなく、先進国で唯一“不戦国家”としてのキャリアを投げ捨てるものでもあるのです。食料供給を他国に依存したまま武力にものを言わせようとする姿勢は、エネルギー自給が出来ないまま戦争を始めた旧日本軍と同じ発想です。

私のご飯も輸入品なのよ・・・、たしか・・・。