「鳳凰は燕雀と群をなさず」

どうです、かっこ良い言葉じゃあありませんか。史記の「日者列伝」に出てくる司馬季主という易者が、時の役人相手に語る中での一節です。さしずめ昨今の安倍首相などは鳳凰の気分なんでしょうねえ。昨日閣議決定した安保法制案(急きょ平和法制案と呼ぶようにしたようですが)を得意満面でお披露目しておりました。すでにアメリカにオイテ8月までに法案を成立させると約束もしたことですし、国会にオイテも与党多数を擁していることでもありますし、もう磐石、粛々と強引に進めるだけ、国会の会期などはどうにでもなる訳ですから、“戦争法案”などとレッテルをつける輩にオイテは完膚なきまでにやっつけるということにオイテ、積極的に平和的に進める所存なのでしょう。恐れ入りました。
そうですよね、今のままじゃあ自衛隊は宝も持ち腐れで、武器は自由に使えない、よその国には自由に行けない、武力で威嚇も出来ないのナイナイ尽くしですからねえ。この法案さえ通しておけば憲法9条があっても戦闘行為に参加できるのですから、世界に顔向け、いやアメリカに顔向けできると言ったほうが良いかも知れません。目出度いことです。後は国会ですんなり決めてしまうだけ、そうすれば、私は歴史に残る首相として、鳳凰として燕や雀などと一緒にされないで輝くことが出来る、そう思っていらっしゃるでしょうねえ。ある意味では解りやすい方ですからね、あの宰相は。
司馬季主という易者の言葉は、玉石混同の世の中に玉を見分けることの難しさと、往々にして賢人は数を頼まず、したがって孤高に甘んずることが多い、故に「鳳凰は燕雀と群をなさず」となることを言いたかったようです。多数を背景に強気になるのは賢人とは言い難いとも言えそうです。

孤高ね、私も。