提案第5弾  中小企業を魅力あるものに その2

そこでどうすりゃいいのよ、と言う問題に入るのですが、第一及び第二の件については根っこが一つのような気もしますから後回しにして、第三の問題について、つまり職場環境についての改善を考えてみたいと思うのです。まず最初に手を付けるべき事柄は見た目です。建物、室内装飾、食堂、休憩室、事務設備、工場のレイアウト、収納、備品に至るまでのすべてに、許す限りの資金を投入すべきです。裏がえして言えばそういった余裕がなければ起業などしないことです。優秀な製品さえ作れれば、人材さえ居ればなどと言うのはとんだ思い違いで、優れた環境にこそ人材も技術も集まるものです。よくTVなどで“町工場の最先端技術”なんて紹介がありますが、ゴミゴミした工場の中で働いていたりしてどこが最先端と思ってしまいます。あんなものは単なる自己満足で、技術を正当に評価していない証拠と言えます。事務所にしても、狭く古く汚く、の三苦が多いのが実情ですから、まず気持ちよくウキウキするような職場環境を心がける、その為の資金を投入することに躊躇しないことです。綺麗で気持ちの良い職場は労働意欲も高くなります。
この“労働意欲”なるものは中小企業の切り札とも言うべきもので、図体のデカい大企業に渡り合える最大の武器とも言えるのです。なぜかと言うと、中小企業はその頭数の少なさが労働意欲に結びつきやすい条件を持っているのです。意志疎通も全体把握も容易ですから、個々の能力を引き出しやすく、また能力も発揮しやすく、発揮した能力がすぐ結果として現れる環境にあると言えるのです。そしてこれこそが中小企業の強みであり、専門に特化した技術や独自性、決断の速さ、融通性などを加えれば十分に大企業と渡り合える力量を持つことが出来ます。結局のところ中小企業にとっては“人が力、労働力が武器”なのです。ですからその労働力を思いっきり引き出すことが出来るように、環境整備が重要となってくると言うことなのです。                               つづく

眠るから・・・