揺りかごから墓場まで:提案第4弾 その4

そもそも“揺りかごから墓場”までを通して行政が関わるようになった経緯は、などと始めるとこれは福祉原論のような話となってしまい私の手に負えるものではなく、ですから大雑把に捉えるとこんなところであろうと思っています。
第2次世界大戦後の先進国の、とくにヨーロッパを中心とした国々の間で浸透していったこの考えは、それは2度にわたる大戦の経験を踏まえ、貧富の差や生活困窮者の増大が社会不安と混乱を生みだす元凶である、との認識のもとに確立されていったと思われます。戦争の原因となった幾つかの理由の中に貧困と格差社会があり、それらを克服することが平和な社会につながるとの思いが、人々の間で共有された結果でした。
私たちの国でも、貧困が軍部の独走を支えたと言ってよい状況の中で太平洋戦争に突入していったのです。日本国憲法は敗戦後の占領政策の中で創案され発布したものですが、占領軍によって押し付けられたという性格ではない、いわば理想を具現化したと言ってよい内容を持った、連合国の日本という実験場にかける期待さえ感じられるものであったのです。日本国憲法は第2章で戦争、および武器の放棄をうたい人類の理想を掲げたと言ってよく、第3章でそれらを実現する背景として第10条から第40条までを割いています。中でも第25条は「生存権、国の社会的使命」を規定した条項であり、私たちの生活とその権利を守る砦ともなっています。また第25条は福祉条項とも言え、貧困や生活苦から国民を解放すべく国が責任を負うことを義務付けているのです。つまり戦争や紛争が貧困や差別から生み出されるという、2度の大戦の教訓がこの新憲法には生かされているとも言えるでしょう。
さてと、もうそろそろ話をまとめなくていけないのですが、自治体の主な使命とは後にも先にも住民の生活と健康を守ることなのですから、目標とする課題ははっきり見えているのです。そして“自治体”なのですから自分たちで考え決めて実行することが出来る組織です。この二つの自明のことを踏まえることこそが自治体の役割なのかも知れません。
おわり。

長い割には中身がない 誰かの演説みたい・・・