冬至の朝

“今年も押し迫って・・・”などという慣用句が飛び交う時期が来ると冬至です。つまり明日からは春の準備が始まる訳で、陽がだんだん長くなっていくと言う、気分的には華やぐ方向に傾く季節が始まるのです。とは言っても寒さの本番はこれからで、春の足音が聞こえてくるのはずっと後になってからのことですが、ともかくこの日を過ぎれば峠の先も見えてこようというものです。これが夏至の時にはこういった感慨はなく、暑い夏を迎えるだけの“まだ先が長い・・・”といった思いが先に立ちます。
子どもの頃に通っていた銭湯では、この日はゆず湯でミカンをくれました。もう銭湯には長いこと行っていませんが、今でもきっとゆず湯だけはしているのでしょう。カボチャを食べるのも冬至の日の習いでした。もうそんな習いはする家庭も少なくなっているでしょう。昔のかぼちゃは今のように美味しくなく、水っぽい甘みも少ないものでした。現在のカボチャは西洋カボチャといわれるものが主流で、ホクホクした甘みも強い綺麗なオレンジ色の実のものです。私が昔食べたカボチャとは別物のような味がします。今ではカボチャというと“ハローウィン”をイメージする人も多いはずで、“今は昔”の語り草です。
今朝がたの東の空は“ヒロシゲ・ブルー”の曙で、冬至の朝に相応しいものでした。今晩はゆず湯に入り、カボチャは一昨日食べたから省略して、みかんでも食べましょう。

眠い