解散風

永田町界隈で突然吹き始めた風だそうで、“解散なんてあり得ない”と言っていた首相はいつの間にか熟慮する方向に流れ、周辺ではすでに今月中にも解散、12月選挙というスケジュールさえ取りざたされているようです。700億円近くの税金が使われる総選挙というイベントが、さほどの根拠も理由も示されずに、個人の一存で決められてしまうバカバカしさに、タックスペイヤーとしてはいつも納得できないものを感じますが、有権者たる私たちの未熟さがその原因と諦めるしかないのでしょうか。
“解散”は首相の専権事項ということらしいですが、国民の負託を受けた議員が首相の胸下三寸で首にできるというのもおかしな話で、本来的には行政府の長として政策の執行のためとか、国民に信を問う場合とかの切羽詰った時以外は乱用すべきでないのが「解散権」であるとされています。ところが殆どのケースが党利党略で行使されることが実態で、“伝家の宝刀”などと言われている割には気軽に利用されてしまいます。
報道通りに今月解散、来月選挙ともなれば、またぞろ騒々しい年末になるやも知れず、憲法違反状態言われる選挙区制度や、政治資金の不明瞭な使われ方など、選挙の対象たる議員とその選出方法に疑問を抱えたままでの総選挙など、バカバカしさを通り越してハラワタが煮えくり返ってしまいそうです。株高の間にやっつけようという魂胆も見え見えで、景気回復の先行きがさらに不透明となる前の、駆け込み選挙とも言うべき思惑が透けて見えるのも厭らしいと思うのです。
まったく政治家の言うことは当てにならないというか信じられないというか、前言を翻すことなどに頓着は無いようです。

風なんか吹いてないよ